組織の中での無意識的な自分の順位

はじめに

今回は「組織の中での無意識的な自分の順位」というテーマで書いて行きたいと思います。

皆さんの周りにも以下のようなタイプの方がいるのではないでしょうか?また皆さん自身はどのタイプでしょうか?

  • 何をやらせても一番になるタイプ
  • 何をやらせても一番ではないものの上位層に入るタイプ
  • 何をやらせても平均点ぐらいのタイプ
  • 何をやらせても真ん中より下のタイプ

仕事でも勉強でもスポーツでも、「あいつは何をやらせても一番」「あいつは何をやらせてもそこそこ」といったように、分野が異なるにも関わらず、ある人が概ね同じようなゾーンに収まる傾向を皆さんも感じた事があるのではないでしょうか。今回はその要因の一つである、組織の中での無意識的な自分の順位について書いて行きます。

■この記事でわかる事

  • 誰もが持つ組織の中での無意識的な自分の順位について
  • 無意識的な自分の順位を活かす方法
  • 自分のこれまでの順位を変えて行く方法

この記事を読むのにかかる時間:3分

誰もが組織の中での無意識的な自分の順位をもっている

説明のために簡単なシミュレーションをします。

100人のグループを想像してみて下さい。全員あなたのライバルです。これから新しい事を始めるので、全員同じレベルでスタートラインは同じです。自分の努力次第で順位は変動して行きます。

さて、しばらく経った時にあなたは100人の中で何位になっていると思いますか?
1位でしょうか? Top10以内(上位層)? それとも真ん中ぐらい?

その順位が、あなたが組織の中で無意識的に安心だと感じる順位です。

「1位」という人は、組織の中で自分が1位でないと安心できない人です。つまり、自分が1位になるまで努力を続けます。いきなり1位になれる訳ではないですが、1位になるまでは安心できないので、1位になるまで努力を続け、やがて1位になります。そして、1位になった後も、そのポジションを維持し続け、そのための努力は惜しみません。

「Top10以内(上位層)」という人は、組織の中で自分が上位層に入らないと安心できない人です。上位層に入らないと安心できないので、自分がまだ真ん中ぐらいだと知ると非常に焦り、上位層に入るまで努力を続けます。一方で、1位にならないと気が済まないかというとそうではなく、その後も上位層の位置を維持します。

「真ん中ぐらい」という人は、組織の中でだいたい平均的な位置にいれば安心だという人です。1位や上位層に入るという意識はないので、たまに良い順位が出たとして、その時は喜びますが、そこから更に頑張るという事はなく、気が付くとまた平均の位置に戻っています。一方、自分が平均を大きく下回っていると知ると、途端に焦り、平均の位置に戻るまで努力をします。そして、平均の位置にまた戻るとそこで安心を感じ、それ以上の努力はしません。

これは要するにどういう事なのでしょうか?
これはつまり「認知的不協和の解消」です。自分はこの位の順位をいつも取ってきたという無意識的な「認知」があり、その順位との差がある「不協和」の状態を解消しに行くのです。

興味深いのは、能力的に優れているにも関わらず、平均的な位置に収まっている人が一定数いるという事です。彼らは、更に努力すれば上位層に入れる能力を持っているものの、既に安心と感じる領域に入っているため、それ以上の努力をしようとはしません。1位じゃないと気が済まないタイプの人には全く理解が出来ず、「なんでもっと努力しないんだ!」とよく言われますが、当人には、そのモチベーションがないのです。

無意識的な自分の順位を活かす方法

成長したいという想いは誰しもあるものの、既に安心だと感じてしまっている領域から、更に自分を追い込んで努力をするのは非常に難しい事です。「成長はしたいし、サボりたい訳でもないけどなんとなくやる気が出ない」という人はこの状態に入っている事が多いでしょう。無意識的には満足してしまっているので、そこから更に頑張るモチベーションがない訳です。

ここで無意識的な自分の順位を上手く活かす方法があります。
それは「現時点で自分が認知的不協和を感じる組織へ行く」という事です。簡単に言ってしまうと、ワンランク上の組織へ行くという事です。

重要なポイントは、この無意識的な順位というのは「特定の組織の中だけの話」であり、「非常に相対的な性質の話」だという事です。世の中には無数の組織がありますが、自分の無意識的な順位というのは、絶対的な尺度での順位の話ではなく、あくまで自分が属する組織の中だけでの順位の話です。

つまり、平均的な位置で満足していた人をワンランク上の組織に入れると、急に平均より下の状態になるので、そこで認知的不協和の状態になります。自分の実力は変わっていないにも関わらず、組織の平均より下という状態をなんとか解消するために努力を始め、やがてその組織の平均的な位置に登り詰めます。この組織においては、ここで頭打ちとなってしまいますが、ここで更にワンランク上の組織に行くと、更なる努力を続ける事ができ、何度か繰り返すと、結果的に最初にいた組織の1位より上の実力を身に付けています。最初の組織にずっといた場合は確実になれなかった1位の更に上の実力を、認知的不協和を上手く使う事で身に付ける事が出来るのです。

これは、1位の人や上位層の人も同じです。既に自分が安心だと感じる位置にいる組織で更に自分を追い込むより、自分が本来いるはずの位置にいない状態のほうが自然に努力をする事ができ、その効果も高くなります。

今いる組織の中で居心地が良いなと既に感じてしまっているのであれば、そこからの努力と成長はなかなか難しいので、組織を変える検討をした方が良いでしょう。

一点注意なのは、あまりにも上の組織に行くと学習性無気力の状態に陥る可能性があるという事です。最初は認知的不協和によって一生懸命努力しますが、あまりにも周りとのレベルの差が大きく、努力しても改善されない状況が長く続くと、努力する事を諦め、その時の順位が自分の中での無意識的な順位にすり替わってしまう可能性もあります。

ただ、組織には採用基準があり、あまりにも上の組織にいきなり行く事はそもそも難しいので、自分が入れる組織なのであれば思い切ってチャレンジすれば良いでしょう。

自分のこれまでの順位を変えて行く方法

自分の無意識的な順位と認知的不協和を使い、組織を変えて成長して行く方法を説明してきました。
とはいえ、自分の無意識的な順位が低いままだと、組織を変えなければ行けない頻度が高く、同じ組織に自分より上の人達がまだ多くいるにも関わらず、組織を頻繁に変える必要があり、これはこれで勿体ない状態です。

出来れば自分の無意識的な順位を上げたほうが方が良く、そのためには以下の4stepが有効です。

Step1. 自分の無意識的な順位を意識的に自己認知する
Step2. その順位を作った過去の経験を分析する
Step3. 自分が今もその順位に収まる理由は何もない事を認識する
Step4. 無意識的な順位より上の順位に自分の順位を再設定する

Step1~3は自己認知を新たにするためのStepです。

Step1でまず自分が設定している無意識な順位に気付き、Step2でそれを形作った過去の経験を振り返ります。多くは学生時代の勉強やスポーツなどの順位に基づいているでしょう。そして、Step3でその無意識的な順位を形作った過去の経験と、今自分がやっている事やこれからやろうとしている事に対しては何の因果関係もない事を認識します。今やっている事、これからやろうとしている事で1位になれない理由は何もないはずです。
ここまで正しく認識した上で、Step4でこれまでの無意識的な順位より上の順位を設定します。この時点で新しくやるべき事が見えてくるはずです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
得意分野や苦手分野はもちろんあるものの、組織の中で概ね自分が安心できる順位というものを皆さんも持っているのではないでしょうか。

もちろん、とにかく上を目指す事が重要という訳ではないですが、「組織の中で自分が無意識的に安心する順位」を一度考え、自己に対する理解を深めてみるのも良いのではないでしょうか。