オートメーションについて

オートメーションとは?

オートメーションとは、「ソフトウェアによる業務の自動化」を指します。

これまで手作業で実施される事が多かったホワイトカラーの業務をソフトウェアで自動化する概念であり、近年、RPA(Robotic Process Automation)というソフトウェアロボットによる業務の自動化がトレンドになっています。日本においても、働き方改革などの影響も受け、オートメーションは急速に広まり、RPAに関して言えば、その普及速度は当時のスマホ並みとのデータもあります。

2020年度に世界有数のリサーチ・アドバイザリ企業であるガートナー社は、今後企業や組織にとって重要なインパクトを持つ「戦略的テクノロジートップトレンド」の第1位に「ハイパーオートメーション(オートメーションの更に高度な概念)」を挙げ、その注目度は益々高まっています。
世界的な流れからも明らかなように、企業としてオートメーションに取り組んでおく事は、今や必須と言えるでしょう。

なぜオートメーションが重要なのか?

なぜオートメーションが重要なのでしょうか?
オートメーションが重要である理由には大きく以下の3つがあります。

1.労働力の圧倒的な不足

生産活動の中心となる生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)の減少が大きな社会問題となっており、高齢化先進国である日本だけでなく、アジア全体で見ても、生産年齢人口はマイナス成長の見通しとなっています。

こうした背景から今後、様々な業界・国で労働力は取り合いの状態となり、採用難・国内外の人件費の高騰が更に加速して行きます。

労働力不足は既に待ったなしの状態であり、事業存続のためには、自動化可能なオペレーションは自動化し、人手をかけない事業体・オペレーションへの変革が必要となります。

2.働き方改革と働き甲斐改革

日本は世界的に見ても長時間労働の国として知られ、長時間労働とその是正は社会的な課題となっています。こうした影響を受け、日本で「働き方改革」が声高に叫ばれ、人より速く・正確にオペレーションを行うオートメーションの導入は、「働き方改革」にも有効なソリューションとなります。

一方、「働き方改革」はオートメーションによる効果の一側面でしかありません。
オートメーションの大きなもう一つの効果、そして「働き方改革」より大きな真の効果に「働き甲斐改革」があります。

働き方改革の側面だけで言えば、「残業ゼロ」であれば、働き方改革は達成と言えます。
しかし、「毎日定時で終わるが単調でつまらない仕事」と「時々残業する事はあるが非常にやりがいのある仕事」どちらの仕事の就きたいと思うでしょうか。人それぞれだとは思いますが、多くの方は後者ではないでしょうか。

単調でつまらない仕事が多くある職場は、働き甲斐の喪失による離職率の増加に繋がる上、採用難が加速する時代において、優秀なデジタルネイティブ世代の獲得は困難を極めるでしょう。単調でつまらない仕事、定型的なオペレーションは自動化し、人は人にしか出来ない事に注力する。こうした取り組みにより、働き甲斐の好循環を生む事ができます。

そして、重要なポイントは、オートメーションが最も得意なのは「人がつまらないと感じる仕事」だという事です。人がつまらないと思う単調なオペレーションをオートメーションは24時間365日休まず、そして速く・正確に実施してくれます。
適材適所とはまさにこの事であり、オートメーションは働き甲斐改革と非常に相性が良いと言えます。

従業員の働き甲斐の向上は、企業の競争力に直結するものであり、働き方改革に加えた、働き甲斐改革の側面においてもオートメーションは重要なファクターとなります。

3.オートメーションを使いこなす企業による淘汰

かつて製造業を中心にファクトリーオートメーションが進み、そこから、企業での業務のあり方・ブルーカラーと言われる人達の働き方は大きく変わりました。

これまで何十人と人手をかけてやっていた仕事の自動化により、大量生産というスケールを企業にもたらした上に、それまで作業をやっていた人員を人にしか出来ない業務領域へとシフトする事で、更にその競争力を大きく向上させました。

これと同じ事がホワイトカラーでも起こります。
オートメーションを使いこなす企業では、それまで10人かけてやっていた仕事を1人でやるようになり、更にその生産性はオートメーションのスケールにより従来をはるかに凌ぎます。
そして、人員を人にしか出来ない業務領域へシフトさせる事で、企業の競争力を向上させて行きます。

従来型の企業では、つまらない定型的な業務に働き甲斐を感じられないまま従業員が仕事に従事し、また、事業自体が人手のリソースに大きく制約を受ける中、オートメーションを使いこなす企業では、定型業務から解放された従業員が、人にしか出来ない業務領域で働き甲斐を持って仕事に取り組む事で、
企業の競争力強化をもたらし、また実行においても、オートメーションにより、圧倒的なスピードとスケールで事業を展開して行きます。

同じ人員のリソースを抱えていたとしても、従来型の企業はオートメーションを使いこなす企業に太刀打ちする事は出来ず、従来型の企業は、オートメーションを使いこなす企業によって淘汰されて行く事になるでしょう。

オートメーションの効果
多岐に渡るオートメーションの効果

オートメーションによって得られる効果は、定量効果・定性効果含め多岐に渡ります。

オートメーションを未導入・導入検討中の企業では、定量効果に注目しがちで、「オートメーションを導入すれば安くなるのか?」という声がよく挙がりますが、定量効果だけではオートメーションの真の価値を図る事は出来ず、その真の効果は定性効果にあります。

オートメーションの効果については、特定の時点ではなく、ストーリーで考える事が重要であり、オートメーションによってまず、従業員がストレスの高い単純作業から解放されて行きます。そして、単純作業から解放された従業員は付加価値の高い業務領域へシフトし、企業への競争力強化をもたらします。
同時に、オートメーションを進める中で、これまで属人化・ブラックボックス化していた業務の可視化・プロセス改善が進み、オートメーションの実業務適用の経験を通じて、従業員のデジタルリテラシーも向上して行きます。こうした「人」と「業務」の両面における変革により、企業風土の改革が進み、これが本格的なDXの取組みへと発展して行きます。

オートメーションの導入にあたり、「今入れてもあまり安くなりそうにないから」という短期的な視点で判断を下すのは、自社ビジネスの進化・競争力強化、働き方・働き甲斐改革による従業員満足度の向上と優秀なデジタルネイティブの採用、オートメーションを使いこなす企業による淘汰などを踏まえるとあまりに早計と言えるでしょう。

一側面でしかない定量効果にのみ注目するのではなく、定量・定性の両面を捉える事で、オートメーションによる効果を最大化する事が出来ます。

オートメーションはDXのトリガ

近年、至る所で耳にするようになった「DX(デジタルトランスフォーメーション)」ですが、DXとは、単なるレガシーシステムの刷新やこれまでのIT活用の延長ではなく、「トランスフォーメーション」という言葉の通り、企業文化も含めたデジタルを使いこなすデジタル組織への変革を指します。

これまでは、既存業務のどこをITで効率化するかという「業務ファースト」の状態でしたが、今後は、デジタルを前提として業務を設計する「デジタルファースト」の時代となって行きます。そして、DXによりデジタル組織へと生まれ変わった企業は、その競争力を大きく高めて行く事になります。

しかし、DXにおける一番の悩みは「具体的に何をすれば良いかわからない」という事でしょう。
DX自体は抽象度の高い概念であり、「DXをやれ!」と経営層が声高に叫んでも、具体的に何をすれば良いのか現場はわからないためです。

こうした状況において、DXを進めて行くトリガとして、まずオートメーションに取り組む事は非常に有効となります。
なぜ有効かというと、「実際に現場で実施している業務が、1ヶ月と待たずに目に見える形で変わるから」です。

これまで手作業でやっていた業務が自動化された。この実体験を元に、現場の方々のマインドが少しずつ変わって行きます。
「この業務が自動化できるなら、あの業務も自動化できるはず」「今まで人手が足りずに出来ていなかったけれど、自動化出来るならこの業務もやりたい」といった声が現場から上がるようになります。

そして、更にオートメーションを推し進め、現場の風土が変わっていく中で、様々な課題・気付きが出てきます。
「業務を標準化すればもっと効率的に自動化出来るのではないか」「この業務はシェアードセンターやBPOで集約化して自動化した方が良いのではないか」「せっかくある顧客データを上手く活用できないか」「AIを使って一部判断を含むような業務も自動化出来ないか」

こうしてオートメーションから始まった取り組みがDXの取り組みへと発展して行きます。
オートメーションはDXへの有効なトリガであり、オートメーションに取り組む事でDXという大きな歯車を回して行く事が出来ます。

いきなり大きな目標を掲げて、DXを絵に描いた餅にする事なく、まずオートメーションに取り組む事で、DXへの着実な一歩を踏み出す事が出来ます。

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