「フリーランスって若いうちはいいけど、歳を取っても働けるの?」という問いに対する斜め上からの回答

フリーランスをやっていると言うと、驚くほどよく聞かれるのがこの「フリーランスって若いうちはいいけど、歳を取っても働けるの?」という問いです。

よくよく聞いてみると、この問いの根底には以下のようなイメージがあるようです。

  • フリーランスは雇用が守られているわけではないため、アウトプットが出せなくなるとすぐに切られてしまう
  • 体力がある若いうちは良いが、歳を取ると同じようなアウトプットが出せなくなり、フリーランスとして働けなくなるのではないか

つまり、体力のある20~40代ぐらいまでは良いけれど、そのまま50~60代に入ってしまうとフリーランスとして働けなくなり、将来困るのでは?というイメージを持たれる方が多いようです。

そのため「今は若いから良いけれど、歳を取っても働けるように組織作りやマネジメント的な仕事への移行も進めておいたほうが良いのでは」と時々心配の声をかけてもらったりもします。

一般的には確かにそうなのかなとは思いつつ、「フリーランス」と聞くと反射的にこう考えてしまう人も多いようなので、将来フリーランスのような働き方に興味があるという人向けに、必ずしもそうではないという点について、かなり斜め上からの回答にはなりますが、一例として書いていきたいと思います。

では実際、私が会社員を辞めてフリーランスになる事を決めた時に、歳を取るとフリーランスとして働けなくなるんじゃないか?という点について心配していたかというと、一切心配していませんでした。

では、なぜ大丈夫なのかと言うと、結論から言ってしまうと、フリーランスとして働けなくなるより、先にFIREが来るからです。

歳を取っても自分がフリーランスとして働けるかどうかは自分ではわかりませんが、少なくとも、歳を取る前にFIREを達成する現実的なラインが計算できたので、この点については心配する事なく独立しました。

これは職種にもよるので一概には言えないのですが、会社員からフリーランスへの転向とは、要するにマージンがゼロになるという側面を持ちます。アナウンサーがフリーに転向したり、芸能人が芸能事務所から独立したりする理由の一つにこのマージンがあります。

例えば、ある年収1000万円の従業員がいた場合、当然、会社目線で見るとその人の利益は年間1000万円を超えている必要があり(そうでなければ雇う意味がないため)、仮にその従業員が年間2000万円分の利益を出していたとすると、マージンとして50%の1000万円を会社に引かれているという事になります。

つまり、この仕事を会社経由ではなく自分で直接受けれるようになると、マージンの50%がなくなり、年収が一気に倍の2000万円になります。このため、マージンの比率が大きい職種についている人は特に、フリーランスになった途端に年収が大きく上がります。

私自身、フリーランスになってから、新規のクライアントに請求している単価はコンサルティングファーム時代の約半値にしていますが、年収で言えば3~4倍近くになっています。クライアントとしても、私としてもWinWinの状態です。

では、会社は大きくマージンを中抜きしていてひどいと思うかもしれませんが、私はそうは思いません。

というのも、日本の解雇規制によって、従業員がパフォーマンスを出せなくなっても会社都合では解雇ができずに、給料を払い続けなければいけないという、プロスポーツ等の世界ではあり得ないようなリスクを経営者は負っているため、正社員として雇用するにはそれぐらいのマージンを取って当然だと思うからです。

つまり、そのマージンによって、ある種雇用が守られている側面があるため、正社員として会社にマージンを渡すかわりに安定的に雇用してもらうか、フリーランスとして独立して、マージンも含め自分の年収にする代わりに、会社の後ろ盾が全くないリスクを取るかという事になります。

話を戻すと、フリーランスとして独立するとこのマージンがなくなるため、一気に年収が上がるケースがあり、正社員時代に比べて資産形成に回せる金額が大きく増えます。

そして、自分のFIREの目標金額を決めれば、フリーランスとして何年働けばFIREできるかという事が逆算できるという事です。

独立によって資産形成に回すお金を大きく増やしてFIREの達成を早め、それがフリーランスとして体力がある内に達成できるのであれば、50代や60代以降もフリーランスとして働けるかどうかという事はそもそも論点にならないという事です。

長く働く事を考慮して、組織作りやマネジメントなど戦略的にキャリアを考えていくことも一つですが、職種によっては短距離走的に体力がある若いうちに駆け抜けてしまうというのも具体的な選択肢の一つになります。

もちろんよく言われている事ですが、FIREは実際退屈で仕方ないだろうなと個人的にも思いますし、そもそも仕事が楽しいので、FIRE出来る状態になったとしても仕事を辞めるつもりは毛頭ありません。

また正社員に戻るかもしれませんし、事業を立ち上げて、組織作りやマネジメントなどの仕事に移るかもしれません。

ただ、「フリーランスって若いうちはいいけど、歳を取っても働けるの?」という問いに関して言えば、独立によって年収が上がった分を資産形成に回し、先にFIREが達成できるのであれば、必ずしも歳を取ってからもフリーランスとして働き続ける必要はないという事になります。

会社員として自分の個人としての利益がどれぐらいなのかという事がなかなか計算しにくい職種もありますが、計算可能な職種の場合や自分の専門領域におけるフリーランスの求人の単価がどれくらいなのかという事を一度見てみると、意外に具体的なラインが見えてくると思います。

どちらかというと例外寄りの話ではありますが、周りを見ているとできそうだなと思う人は一定数いるので、考え方の一つとして参考になれば幸いです。

ちなみに、50代や60代以降でも日々自己研鑽に励まれていて、フリーランスとしてバリバリ活躍されている方はいくらでもいらっしゃるので、もちろん体力の衰えは一定あるとは思いますが、歳を取ってもフリーランスとして働けるかというとYesだと思います。

どちらかというと、全員がフリーランスのような形になり、バーチャルなチームやプロジェクトを作りながら、世代や組織を超えて働けるような流動性の高い社会になると楽しくなりそうだなと思っています。